(Report) Vol.16 叱らない子育て

2017年1月8日、「叱らない子育て」というテーマで、現役幼稚園教諭である由佳子さんを交えて行った2017年初のシェアリング。

10家族、子供達を含めると総勢21人が集まった、とても賑やかな朝となりました。

朝10時にカフェに集合し、「子どもとの接し方について」のシェアからスタート。

・約束事とやりたいという気持ち、どちらを尊重するのか?

・怒る、許すという旦那様との役割分担はどうしたらいいのか?

・お父さんの育児参加、協力体制と興味について

・怒りたくないけど怒ってしまう自分に対しての葛藤

・自分の思い通りにやりたい気持ちが芽生えた子どもの対応の仕方

・声を荒げないで子どもと接するしつけの方法

・好奇心をどこまで尊重し、どのまで制御するか

・長所の伸ばし方

・苦手な事をできるようにする、さじ加減が知りたい

などなど。

子どもと接する中で、皆さん色々な思いを抱えていました。

それらがシェアされたことで「これは自分だけの悩み?」と考えていたことが、皆が同じように悩んでいることがわかったことで、楽になったという声も上がっていました。

また今回、男性が2人参加したことで「父目線」の意見も聞くことができました。

自分の妻以外からは「お母さんの悩み」を聞く機会はほとんどないため、「我が家だけではなくみんな同じ悩みを抱えていると知れてよかった」と伝えてくれて、このような場に、夫婦で参加する意義についても再確認できました。

そこで出た皆さんからの質問を踏まえて、「子どもとどう接することで、叱らない子育てができるか?」について、由佳子さんよりお話してもらいました。

「参加したかったけどできなかった!」という方のために、ほんの少しですが、一部シェアしたいと思います。

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他人を変えることはできないと同じように、子どもも変えることはできません。

ですが「子どもに対するイメージ」を変えることで、全く違った世界が見えてきます。

「子どもは何もわかっていない」と思って接するのと、「子どもはわかっている」と思って接するのでは、かける言葉が全く違います。

例えば、親の立場からやって欲しくないことを子どもがやった時・・・理由も説明されず「ダメ!ダメ!」と言われたら、子どもはどう思うのでしょうか?

大人同士で友人からいきなり「それはダメ」と言われたら嫌なように、子どもでも同じ感情を持ちます。

子どもに「ダメ!」と言わず、言葉を置き換える。

選択肢を与える、質問に変えてみる。

感情的にならず事実を伝えること。

これを繰り返すことで、子どもの反応・行動は変わります。

例えば、進みたい方向とは逆に行ってしまった子どもに対して ・・・「そっち行っちゃダメ!!!!」と思わず言いたくなりますが

こういえば、子どもは余計にそちらへ行きたくなるものです。

「お母さんは右の方向に行きたいの。自分で歩くのとベビーカーに乗るのどっちがいい?」

子どもに選択してもらうことで、子どもの意見を尊重しながら、すんなりと行きたい方向についてきてくれます。

お友達に対して手が出てしまった時・・・「ダメでしょ!なんで叩いたの!?ごめんなさい、は!?」

この時、叩いてしまったことに固執せず、子どもに改善策を考える機会をを作る方法もあります。

「お母さんは、**ちゃんがお友達を叩いてすごく悲しかったよ。こういう時はどうしたらいい?」

そう伝えてみてください。

「あなたは〜でしょ!?」と伝えても、本人がそう思っていなければ反省することもできません。

そんな時は「なぜお母さんは悲しんでるのか?」その理由を見つけてもらうことにフォーカスしてもらうことも一つです。

そもそも、ごめんなさいと言いなさいと言われたから言う「ごめんなさい」に、どれだけの意味があるのでしょうか。

ごめんなさいの本当の意味の理解はだいたい4歳からだと言います。

それまでは、マナーや形式よりも改善策を考えられることを優先するといいと思います。

しかし、一度でうまくいくものではありません。

根気強く繰り返しチャレンジしてみてください。

子どもの変化を感じられる時が必ずきます。

親が「この子は全てわかっている」「この子は何でもできる」と信じて接し続ければ、最低限の安全は確保しながらも、子どもへチャレンジする機会を提供し、自分で物事を選択していく力を身につける機会を提供することができます。

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由佳子さんの伝えてくれたお話は、世界トップクラスの教育の考えを実践する幼稚園の教師であり、一児母であるという経験が詰まった、具体的かつ理論的なお話でした。

さっそく子どもへの接し方が変わったという嬉しい報告も届いています。

子どもを変えようとするのではなくて、親が子どもへの接し方を変えることで子どもは変わる。

親が持っている子どもへのイメージが良いものであればあるほど、つまり、親が一人の人間として子どもを信じれば信じるほど、子どもは自分の可能性に気づいていきます。

子どもの可能性は、大人が頑張って開花させなくても、、子どもを信じ続けることによって花開くもの。

すぐにできなかったとしても、「叱らない子育て」というものが存在するということがわかれば、そのイメージに向けて少しずつ自分の接し方を変えていけばいいと思います。

その意識で子どもと向き合うと、私は子どもの眼に映る世界がとても美しいものに見えて、子どもと過ごす時間をより愛おしいものに感じることができました。

由佳子さんの伝えてくれた子育て観が、世の中の多くのお母さんの助けとなることを信じています。

お伝えしたいことのほんの1部しかお伝えできていませんが、、今後も子育てに関して別のテーマを設けて開催したいと思いますので、当日お伝えしてくれたこと以外にも聞きたかったこと、知りたいことがあれば教えてください。

今回参加できなかった方からの質問も、大歓迎です。

参加してくださった皆様・由佳子さん。

日曜の朝の素敵な時間を、ありがとうございました。


(Writer : Naoko Yasuda)