(Report) Vol.49 歯が生える前からでもできる、歯科医に頼らない健康なお口の育て方

2018年2月19日に藤井奈保(Naho Fujii)さんによる

「歯が生える前からでもできる、歯科医に頼らない健康なお口の育て方」というタイトルにてシェアリングが開催されました。

歯科衛生士、歯科技工士である藤井奈保さんは、シンガポールの歯科でも働いた経験をお持ちの、3児の母。

自らをデンタルおたくと呼ぶほど、歯に対して熱い想いを持って、国内外で活躍されています。

今回、奈保さんから、子どもが歯やお口の悩みを抱える前に、「お口を正しく機能させること」の大切さをお伝え頂きました。

我が子の歯並びが気になり、歯医者さんに診てもらったけど、まだ小さいので「様子を見ましょう」と言われたら、あなたはどうしますか?

何もせずに、将来、歯列矯正をする時期が来るのを待つことが良いのでしょうか?

「健口」は、歯にとって良いだけでなく、食中毒や風邪の菌にも負けない強い身体を作る、生涯医療費が抑えられる、いびきが解消されるなど、嬉しいことばかり。

「お口の健康が身体全体の健康に繋がる」と聞いた参加者からは、質問がたくさん飛び交う2時間となりました。

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お口を正しく使えれば、歯の矯正は不要?

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仕事柄、人と会ったときにまず口元を見てしまうという奈保さん。

お口を正しく使えていない事で、歯並びにも影響している人は多いと言います。

一例として取り上げられたのが、呼吸の仕方。

呼吸とは、本来、口ではなく鼻でするものですが、これがうまくできずに、ポカーンと口が開いてしまう人が、最近増えているそうです。

口で呼吸してしまうことで、歯並びに悪影響を及ぼすだけでなく、睡眠の質が低下する、病気になりやすくなるなど、怖ろしいことが沢山!

正しい呼吸方法を身につけることが、とても重要視されています。

また、時間とお金をかけて歯の矯正をすれば、歯並びは当然良くなりますが、「矯正をせずとも、歯の成長過程の中で、家庭でできることに目を向けて欲しい」と語る奈保さんの説明に、参加者は真剣に耳を傾けていました。

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今日から歯の為にできること

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お口の健康のために大事なのは「舌と顎の成長を促すこと」。

奈保さんのアドバイスは、どれも具体的で今日から実践できるものばかり。

たとえば、食事の場面で、沢山食べて欲しい!こぼさないで欲しい!と思い、親が子供の食べやすい形状の食事を作ること。

実はこれ、子供の口の成長のためには逆効果!!

「“食べにくい”は愛情」と奈保さんは力強く語っていました。

食べるときに歯を大いに使える食事の工夫こそが、本来母親が子供のためにすべきこと。

我が子の食事中の口元の動きや姿勢を観察し、料理の仕方や食事中の様子に気を付けることを、早速我が家にも取り入れたい!と、参加者の皆さんの意識がガラリと変わったようです。

今回の講義で、奈保さんが私たちに伝えてくださったポイント。

◎歯並びは生活習慣によって美しくできる

◎お口の健康は、身体の健康にも影響する

◎大人が正しい知識を身につけることが、子どもへの最高のギフトになる

子どものためだけでなく、大人の私たちのためにもできることが沢山あり、家族みんなで、お口の健康を楽しく育んでいきたいと、前向きな気持ちになりました。

講義の最後に、奈保さんが歯科ボランティアでミャンマーに行った時の映像を、上映して下さいました。

ミャンマーの子供達の虫歯が凄く増えている事を嘆く姿から、「世界中の人々の歯を健康にしたい」という熱い想いを行動に移している事が、奈保さんからひしひしと伝わってきました。

奈保さんのその想いに応えられるよう、まずは私たち一人一人が、母としてできることをやっていきたいと思います。

奈保さんの今後のご活躍を応援しています!

Writer: 佐藤 有希乃

Mothers’ Earth Community 代表: 安田 菜穂子