2017年9月24日「自分で考える力を身につける」というテーマにて、0~6歳の子ども教育のプロフェッショナルであるYukako Kawaguchiさんによる、第5回目子育て講座を開催しました。
「自分で考えられる子どもに育って欲しい」
そう願う親は多いと思います。
では、どうしたら考える力が育つのでしょうか?
講義前に事前に由佳子さんから、こんな質問がありました。
「日常生活で子どもに自分で考えて欲しいと思う時はいつですか?」
少し、考えてみてください。
参加者の回答の共通点は「親に助けを求める前に自分で判断して欲しい」というもの。
しかし、由佳子さんは「子どもは《親に助けてもらおう》という判断をしている。この判断をして、助けを求めること自体がすごいこと!」といいます。
子どもから助けを求められたら、どんどん助けてあげていいんです。
大切なのは【子どもに助けを求められた時の大人の対応】。
どう対応するかによって子どもの考える機会を、増やすか、減らすかに大きく関係している、といいます。
ポイントは、親が提案した選択肢に「Yes/No」ということではなく、子どもが自分で考えて、答えを出すこと。
「私、自分で気がつけた!」という機会をいかに沢山作るかだといいます。
具体的にいうと、親が提案するというのはこんな場面です。
親「〜したら?」
子「うん」
このシュチュエーションは、親は「いうことを聞いてくれた」と、嬉しくなるかもしれません。
でも、子どもが考える力を削いでいる可能性もあるのです。
例えば、兄弟喧嘩の場面で、子供の着替えの場面で、食事の場面で、片付けの場面で、
お子さんにどんな接し方をしていたか振り返ってみてください。
「〜しなさい!」「〜してみたら?」
と言っていないでしょうか?
これは、親が【答え】を言っている、つまり子どもの考える機会を奪っているのだと由佳子さんは言います。
答えを伝えず、考える力を育てるために大切なこと。
それは【事実をありのままに伝えること】だといいます。
サッカーの実況中継を思い出してください。
「A選手がボールを蹴りました。B選手にボールをパスしました!B選手そのままゴール!!!」
決して中継で「A選手はC選手が嫌いだから、ボールを奪ったんだと思う」とはいいませんよね。
でもよく考えたら子どもの喧嘩の仲裁で親が陥りがちなパターン。
具体的にお伝えします。
Aちゃんのおもちゃを、Bちゃんが取ったとします。
「Bちゃん、Aちゃんのおもちゃを取ったの?Aちゃんかわいそうだよ。返してみようか。」
こんなふうに言ってないでしょうか?
由佳子さんの回答は
「Aちゃんの持っていたおもちゃ、いまBちゃんが持っているね」
でした。
まさに実況中継。
Bちゃんは、意地悪したくておもちゃをとったのではないかもしれない。
Aちゃんと、一緒に遊びたかっただけかもしれない。
取られたAちゃんも、悲しいと思っていないかもしれない。
親の主観で「決めつけない」こと。
感情移入をせずに事実をありのままに伝えること。
実況中継をすることで、子どもが自分の状況を判断して、考えるきっかけを与えることができます。
考える力が付くと、
⭕子どもが自分の経験から状況を判断できるようになる
⭕自分の置かれている立場を理解できるようになる
⭕考えたことを言葉にする語彙力が上がる
というメリットも。
実況中継は、訓練しないととても難しいことだと由佳子さんもいいます。
(実際、我が家でも夫婦で講義に参加し、やってみていますが、簡単なようでとても難しい・・・)
子どもの理解のプロセスは
1【何かが起こる】
2【事実を整理】※そのために親が実況中継!!
3【理解】
という順番だそうです。
自分で頭を打って痛い思いをして、初めて危ないという意味を理解する。
だから、机の下にもぐって遊んでる子どもへの声掛けは「危ないから、机の下から出ようね」ではなくて、「〜ちゃんの頭の上に、机があるよ」です。
それで、頭を打って痛い思いをして、「頭の上に何かある時に頭を上げるとぶつかる」ということや、「頭をぶつけたら痛い」ということを理解します。
時間がかかるように見えますが、経験から学ぶことが、何よりの近道なのですね。
実際、私自身この講義後に自分の息子への声掛けを見直しました。
するとほとんどが、提案や答えの提示でした。
愕然としました・・・
そして、私が実況中継をして提案しない声掛けをしていると、どんどん自分で考えてトライする息子の姿。
あんなに嫌がっていたことを、あまりにも楽しそうにやるので、魔法にかかったような思いでした。
声掛けの意識の大改革。
楽しんで継続してみようと思います。
由佳子さん、そして参加者の皆様、今回も素敵なシェアをありがとうございます。
学びが多く、心が軽くなる、そんな素晴らしい講義でした。
まだご参加したことがない方も、ぜひ一度学びに来てください。
きっと子育てがもっと楽しく、そして楽になると思います。
Writer : 安田 菜穂子
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