2017年6月22日のAtsuko Sugaさんによる講義は「菌と共生する暮らし」についてという内容でした。 ⚫️健康になるには、身体は洗い過ぎない
⚫️菌は悪者ではなく、私たちを守ってくれる
⚫️抗菌・除菌は、実は身体を弱くする
今回講義をしてくれたフードスペシャリストのAtsuko Sugaさんのお話は、
毎日の生活の視点がガラっと変わる、大切なお話でした。
健康な体を手にいれる為に重要なこと・・・ それは「菌との共生」だと伝えてくれました。
菌と聞くと「汚い」と思う方もいるかもしれません。 しかし、実際私たちはたくさんの菌と共生していて、 体に日常的に存在する微生物(細菌)を「常在菌」といいます。 腸内に1000兆個・皮膚に1兆個存在するという常在菌は、 体内に悪い菌が入ってきた時に戦って追い出してくれたり、悪い菌の繁殖を抑えたり、私たちを助けてくれるもの。
でも、除菌スプレーやウエットティッシュ、殺菌ハンドソープや洗浄力の強いシャンプー、抗生物質を通じて、私たちを守ってくれている大切な常在菌を、気がつかずに殺してしまっていることもあります。 「腸内細菌を育てたい!」と思って、せっかく発酵食を日常に一生懸命取り入れていても、実はその傍ら菌を殺してしまっているという、相反することをしてしまっている人はとても多いのではないかと思います。 (お味噌を手作りしています!という人が、抗菌石鹸で体を洗っていたら・・・菌という観点では、恩恵は受けられていません)
私もこのお話を知る前までは、一生懸命に良かれと思って、菌に対してかわいそうなことをしていました・・・(T_T) また抗生物質を飲めば、これまで育ててきた身体中の常在菌は全てゼロになってしまいます。 常在菌が身体からなくなってしまうと、悪い菌が入ってきた時に戦うことができません。
「風邪をひきやすい」にはちゃんと理由があります。
知ることで防げることがあります。
そして、その菌が「色々な種類の菌」であるほど、戦える力が強いということです。
だから・・・
屋久島に行って土に触れ木に触れてゲットしてきた菌。
バリの空気や海からゲットしてきた菌。
色々な場所で集め育った多様性のある菌を、大切に育てていきたいものです。
(一度リセットされた腸内細菌が復活するまでは、なんと6ヶ月かかるといいます)
敦子さんが伝えてくれたのは「常在菌をいかに育てるか」という観点。
実際、敦子さんのご自宅では、
ご自分と息子さんはここ2〜3年は石鹸を使わずにお湯だけで髪も体も洗っているそうです。(それでも、臭いことはありません)
手を洗わずにご飯を食べても気にしない。
それは、経済的にも精神的にも、余裕につながります。
「ヨーグルトを食べると花粉症が治る」という話の原理は、
菌を体内に取り入れることで「体の興味」が菌に向き、
アレルギー反応が起こりにくくなるというメカニズムだそうです。
菌がどれだけ大切か?については色々な角度からお話があり、 生まれたての赤ちゃんが牛小屋で育つと普通の家庭の赤ちゃんよりも丈夫だというお話もあります。 出産の時に赤ちゃんが膣を通ってくる間にお母さんの持つ菌まみれになることから、自然分娩の赤ちゃんの方が帝王切開の赤ちゃんよりも免疫力が強いというお話もあります。 (膣が肛門という菌のたくさんいる場所の近くにあるというのも納得です)
子どもを健康に育てたいと思ったら、洗い過ぎないこと。
「菌にまみれて生きる」ということが私たちを強くし、守ってくれています。
今回そのほかにも
・常在菌とうまく共生するための生活のコツ
・常在菌を乱す要因
・どのように菌を体内に取り入れるのか、どう育てるのか
・発酵食品を上手に毎日の食事に取り入れるコツ
・腸内環境がわかるうんちの見分け方
についてお伝えいただきました。
すぐに実行できる生活に即した内容に皆さん前のめり!!
質問が飛び交う中での熱い講義となりました。
1000兆個の常在菌をバランスよく育て、 腸に美しいお花畑(腸内フローラ)をつくれれば、病気知らずの免疫の強い身体になります。 多様性のある社会に活気があるように、多様性のある腸内細菌が重要。 いろんな種類の菌をとりいれ、そのエサとなる食材もとりいれながら、菌を育てて、腸内のお花畑を満開に出来たらと思います。
目指すのは「1000兆個の腸内細菌に優しい、食べ方・生き方」。 除菌のしすぎに注意して、自然に触れ、発酵食品などから菌を摂取することで 自然と調和し、菌と共生する生き方を実践していけたらと思います。 身体の中の小宇宙と、地球全体が繋がっているという、 ダイナミックな世界観を、伝えてくださったように感じました。 常在菌は、私たちの皮膚の上7~8cmを覆っている菌に守られているというお話を聞き、なんだか急に菌がかわいく愛おしく思えた瞬間でした。
すぐに実践できる内容に加えて、身体の仕組みなど理論も知るからこそ、納得して腑に落ちて初めて行動が変わるのかもしれません。
素晴らしい講義をしてくださった敦子さん、一緒に学びを深めてくださった参加者の皆さん、素晴らしい学びの時間をありがとうございました。
Writer : Naoko Yasuda
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