2017年11月5日「子どもの先を予測する力を身につける」というテーマにて、
0~6歳の子ども教育のプロフェッショナルであるYukako Kawaguchiさんによる、第6回目子育て講座を開催しました。
あなたは「子どもが〜してくれない・・・」ということで、困った経験はありますか?
今回はそんな悩みへのアプローチ方法について。
どういう声かけすれば、子どもに先の予定や次起こることを理解して納得してもらえるのでしょうか?
それが出来るようになることで、どんな良いことが起こるのでしょうか?
今回お伝えいただいたお話は、言葉を話す話さないに関わらず、幅広い年齢のお子さんに当てはまる内容でした。
0歳では【次の行動を予測してもらう】ための声の掛け方。
1〜3歳はイヤイヤ期真っ盛りだからこそ、日々の生活を習慣化して子どもに安心感を与えるコツ。
3歳以降の子どもの場合は、一緒に予定を組み子どもに役割を与えて予測する力を強化する秘訣についてです。
⭕️子どもが、次に何が起こることを予測できるようになる方法
⭕️子どもの突然の行動に困るという状況がなくなるための声かけの仕方
⭕️日常生活がスムーズに流れ、子育てが楽になる習慣の作り方
⭕️どんな声かけをすることでこのルーチンをつくることができるのか
こんな内容にご興味ある方は、是非ご一読ください!
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あなたは、全く予定の分からない1日を過ごせますか?
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まず冒頭で、講師の由佳子さんから質問がありました。
「あなたは、全く予定の分からない1日を過ごせますか?」
「もし、分からないまま1日が始まったらどんな気持ちになりますか?」
参加者からの回答は
「絶対そんな1日を送ることは無理!」
「自分の気持ちを尊重されてないと感じる」
など、戸惑い・怒り・反発・パニック等の回答があがります。
「同じ気持ちを、子どもにさせているかもしれません」
という由佳子さんからの言葉に、参加者一同「ハッ」と気がつく瞬間がありました。
大人がスケジュールに従って次の行動ができるのは、経験の積み重ねで習慣化しているものがあるからです。
子どもは、吸収力はありますが、人生の経験値が無いので、次どうするか行動が分からないだけです。
何も知らされないまま、急に移動して知らない場所に連れて行かれる恐怖。それは大人も子どもも同じです。
「子どもは何もわからない、大人が助けてあげないといけない存在」ではなく、「経験値が少ないが自分で考えて行動することができる存在」。
だからこそ、仕事で上司が部下に事前に予定を伝える様に、子どもにも接して欲しいとのことでした。
そして由佳子さんから、2つ目の質問。
「あなたは、子どもにどのように、どんな情報を、何を使って伝えていますか?」
参加者の回答は、
・大まかな予定を朝もしくは前日に伝える
・歯を磨いて、本読んで、動画見て、寝るという手順を伝える
・「今から頭、洗うよ」「オムツ替えるよ」など、行動の直前に言う
・トイレに行くなど、その場を自分が離れるときに、自分の行動を伝える
など、子どもの年齢によって様々な声かけをしており、
由佳子さんからも「思った以上に沢山声かけをしていますね」と高評価。
予定を事前に伝えることで、自分は尊重されているといつも感じることができるので、親に対する安心感・信頼感も育むことができます。
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『次に何をするか』子どもの口から言ってもらうことはありますか?
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そして講師からの次の質問、
「子どもに『次に何をするか』、言ってもらうことはありますか?」
その答えに、参加者の私達は無言に・・・・・・・
一方的にやって欲しいことを、伝えていただけだということに気がつきました。
また、この声かけは、言葉を話すかまだ話さないかは関係ないといいます。
《 既にお話ができる子どもに対して 》
言葉を話し出す時期の子どもたちの大半は「イヤイヤ期」です。
子ども自身に次にやることを言って貰うことで、子どもが自分で次の行動をする確率が上がります。(トップダウンではなく、ボトムアップ!!)
子どもが自分で「次は○○する!!」と言ったら、もし親の思惑と違っていても否定せずに、まずは受け止める。
「そうだね、○○もいいね。その次は××しよっか」と次の行動を促せばOKだそうです。
子どもは意思を尊重されたことで、次の行動に移しやすくなります。
子どもであっても「自分が言ったことだから、やらなきゃ!」という心理が働くようです。
子どもとスムーズに毎日を送るためには、トップダウンではなく、親が伝える内容をどれだけ子どもが理解し「やりたい!」と思ってくれるかが大事。
実際、我が家の2歳半の息子は、予定を伝えていたものの直前になって「いかない!」「やらない!」と、うまくいかないことばかりでした。
本人の口から、これからやることを伝えてもらうように質問をしたところ・・・何もかもがスムーズに!
特に苦戦していた夜寝る前の段取りが驚くほどスムーズになりました。
《 まだお話ができない小さな子に対して 》
これは実はお話ができない小さな子どもでも同じことだそうです。
お話ができない時期の子どもは、親からの質問に回答を言葉で返すことができません。
しかし大切なのは【親自身が聞く習慣をつけること】だといいます。
「次何する?」の声かけを続けることで、子どももコミュニケーションの準備ができるといいます。
成長していくと、行動やジェスチャーで答えを返してくれるようになります。
言葉を話せるようになったときは、既に習慣ができていて、反応が返ってくるようになります。
ただ、日常の全てのことに問いかけすると親も疲れてしまうので、まずは大切なことから始めてみるのがお勧めと話していました。
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親は主導権を発動するリーダーです
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事前に予定を伝えたり、子どもに次の行動を自分で言ってもらいながら、
毎日の生活習慣をつくっていく声かけをする上で、
「子どもが思った通りに動いてくれず、待てない!」
「行動が完了するまでに時間がかかって、私自身が我慢できない!!」
「なかなか習慣がつかない!!」
こんな壁にぶつかることもあると思います。
親自身が、イライラして感情的になってしまうこともあるかもしれません。
そうなる前に、自分で限界を決めていい(親の主導権を発動)と由佳子さんは伝えてくれました。
例えば、事前に寝る前にやるルーチン(歯磨き、着替え等)を子どもに伝えていても、遊びに夢中になって歯磨きをしない・・・
こんなことあるかもしれません。
そんな時、親が境界線を作ります。
「寝る時間だから、遊ぶのをやめて歯磨きをしようか。もし5分経ってもしない時は、ママがお手伝いするね」
遊び続けている場合は「5分経ったね、約束通りお手伝いするね」と、泣き叫ぶ中でも、歯磨きをするとのこと。
子どもや嫌がることを、親の主導権を発動してする時は、尚更「歯磨きいやだよね〜!わかるよ〜!」など子どもの気持ちの承認が大事です。
さらに大切なのが、子どもが5分経たずに歯磨きの行動に移ったら、親は褒めてはいけません。
「やった〜!できた〜!!」と喜ぶ気持ちを心に留めて、毅然とした態度で子どもの行動を見守ってください。
ポイントは、
①親がリーダーになって子どもを導くこと
②親の主導権発動の境界線を決めること
③主導権発動のタイミングを子どもに理解してもらうこと
④子どもの気持ちを承認すること
です。
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親主導で、境界線を決めてOKです!
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この境界線は、「〜分たったら」や「〜回言ってしなかったら」など、自分の心地よさで決めていいのです。
境界線を親のできる範囲で決めることが大事な理由は、親自身も自分の感情を大切に扱うことが大事だから。
自分を大切にできる人が、子ども含め他の人も大切にできる人。
親も我慢せず、無理せずに、境界線を決めてOKです。
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習慣化するまで、できないことはどれだけ手伝っていい?
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「親が手伝ってしまうのは、いいのですか?」
「子どもが手伝いを求めてくる時どうしたらいいですか?」
という質問もありました。
由佳子さんは「手伝ってもOK!」という考え。
由佳子さんのお子さんとのやりとりの中でも、「自分でやりたい」と言った以外は、時間もかかるし無理にやらせずに、手伝っているとのこと。
いつかはできるようになるのだから、本人がやりたがるタイミングが来たら、子どもに任せるというおおらかな気持ちで大丈夫だそうです。
そもそも習慣化していくまでは、とても時間がかかります。
大人でも何かを習慣化する場合、最低3週間かかり、2カ月経ってから結果が出るそうですから、子どもならなおさらのこと。
結果が見えるまで、気長に待つことが大切と伝えてくれました。
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やめたい習慣、どうやってやめさせたらいい?
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スマホでの動画やご飯の前のお菓子・・・
子どもにやめさせたい習慣はあるでしょうか?
由佳子さん自身も、歯磨きが大嫌いな娘さんにスマホで動画を見せながら歯磨きをしていて、でもその習慣をどうにかやめたかったといいます。
まず大切なのは、“親が一大決心をすること”。
この決心が鈍っていると、断ち切れない場合があります。
決心したらその習慣をやめる事を事前に伝え、新しいやり方を伝えます。
由佳子さんは、未練が残らないようやめる1日前にこう伝えたとのこと。
「明日からは、歯磨きの時の動画はなしにするね、今日が最後ね」
「動画を見ると目にも悪いからお母さんやめたいと思っているの」
「ママが間違っていたの、ごめんね」
習慣をやめる理由を明確に示し、間違った行動をとったことを素直に謝ります。
一度ついてしまった習慣を止めることは大変です。
でも悪い癖を止める事は、今後の子どもの人生で起こりうる困難(大切なものを無くす、友人との別れなど)を乗り越えることへの訓練にもなると由佳子さんは伝えてくれました。
是非、子どもと一緒にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
それでも、一大決心して止めてみたけど、ヤッパリできない時もあると思います。
そんな時は、また習慣を再開するのもありだそうです。
自分に厳しくしすぎず、遊びながら楽しみながら子どもとの習慣を作っていけたらと思います。
印象的だったのは、講義後の参加した皆様の肩の荷が降りたような表情。
「自分の子が出来ないことばかりに目が向いてイライラすることもあったが、毎日をもっと楽しんで、遊びを取り入れながら行動できそう」
「良いママで居たいがために、子どもの機嫌を伺っていた。ママの考え・気持ちを優先して境界線を決めていいという事が分かって、心が軽くなった」
という感想もでてくる、フッと心が軽くなる素晴らしい講義でした。
由佳子さん、今回もありがとうございました!
次回で由佳子さんの連続講義、最終回となります。
運営サポートメンバー一同、みなさんのご参加をお待ちしております!
Writer : Ayako Kokubun
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