(Report) Vol.43 遊びを通して子どもの想像力を養う(子どもと心が通じ合うコミュニケーション⑦)

まず冒頭は由佳子さんからの質問、

「子供のころによく遊んだおもちゃは何?」

でスタート。

はにかみながら笑顔で回答していたのが印象的でした。

皆さんの回答で共通するものは、

「何々のおもちゃが好きだった」

というものより、

「こういうことをするのが好きだった」

「こんなことをよくしていました」

というものでした。

今回の講座では、この回答でもあるように、

【何歳にはどんなおもちゃがいい】 という視点ではなく、

【子どものどんな部分をみて、どこに興味があるのかを知る】そのヒントを教えていただきました。

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子どもの遊びの発達段階について

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子どもの発達段階に合わせ、

どんなことに興味がある時期なのか、どんなことができて、どんなことがまだこれからなのか、

という点を教えていただきました。

私自身は、つい「お友達と仲よく遊ぶこと」を期待したり、

「こうしたら?」という問いかけをしてしまっていました。

しかし、由佳子さんは

「お友達とルールや役割を踏まえたうえで遊ぶのは、4歳以降」だといいます。

(子供それぞれではありますが)

まれたての頃から4歳くらいまでの発達段階において、

色々なものを観察する”遊び“から、一人で遊ぶ、同じ空間でほかの人と遊ぶ、など

子どもには【遊びの発達段階】があり、その段階を知ることで、子どもの遊び方への期待を上げすぎることなく、楽になると気づきをいただきました。

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いたずらについて

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また、みなさんの想像する「いたずら」とはどんなものでしょうか?

大人にとっては【いたずら】でも、子どもにとっては【興味の対象】であり【遊び】の一つだそうです。

子どもがしている「いたずら=遊び」はどのような動きで、どのような行動をしているか、視点を変えて観察してみましょう。

例えば・・・

しまってあるものを引っ張り出すのが好きな子。

その子は、「ものを移動する」のが好きなのかもしれません。

何か、ものを運んだり、しまったり、いれたり、そういった遊び・動きができるおもちゃを与えてみましょう。

それは必ずしも市販のおもちゃである必要はなく、身近にあるかばんや箱、何かのケースなどでも十分に代用できます。

このように、視点を変えることで今ある興味を引き出し、いたずらされて困ることを遊びに転換することで、親目線で困る行動を少なくできるかもしれません。

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創造力を伸ばす環境・おもちゃについて

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今回は、由佳子さんが娘さんに与えているおもちゃを実際に持ってきていただき、どんなもので遊んでいるか、どのように置いているかなど見せていただきました。

講座の間、子どもたちもそのおもちゃで遊んでいましたが、子どもそれぞれの遊び方、選び方が何通りもありました。

それぞれの遊び方を尊重してあげよう、と見守りながら感じた空間でした。

創造力を伸ばすおもちゃは

・シンプルなもの

・数が多くない

ものがいいと、由佳子さんはおっしゃっています。

雑貨屋さんのお店のディスプレイを思い浮かべながら、シンプルなものを、目を引くように並べると、子どもは自分なりに考え、彼らなりの方法で遊び始めるそうです。

そのほか、

・兄弟間の遊び方の違いに対する対応のヒント

・プレスクールなど学校に入れるタイミングについて

・いたずらに対する境界線の引き方

などたくさんの質問や意見交換が行われました。

もうすぐクリスマス、子どもたちがたくさんのおもちゃに触れる機会が増える時期です。

でも「何で遊んでいるか」にフォーカスするのではなくて、

「そのおもちゃでどうやって遊んでいるのだろう」

「どこに興味をもっているのだろう」

そんな視点で子どもたちの遊びを見守りたいと感じました。

その遊び方は、大人からすると正しい遊び方ではないかもしれません。

でも子どもたちの頭の中では、何かを考え想像しながら遊んでいます。

大人が思いつかない面白い発想を知れるチャンスですね。

遊びは子どもたちの仕事です。

勉強であり、仕事である子どもたちの遊びを上手にサポートして、創造力を伸ばす手助けをしていきたいですね。

そしてこれから、どんなおもちゃを与えるか、どんな環境つづりをするのか、色々と考えるきっかけをいただいた講座でした。

由佳子さん素敵な時間をどうもありがとうございました。

次回の講座も楽しみにしていてくださいね。


Writer : 田中 円香