(Report) Vol.54 子どもの自主性を育てる (子どもと心が通じ合うコミュニケーション④)

2018年5月6日、Yukako Kawaguchiさんによる「子どもと心が通じ合うコミュニケーション」の第4回目「子どもの自主性を育てる」が開催されました。 

良かれと思って手伝ったつもりが、子どもが「自分でやりたかったのに!」と怒ってしまうことはありませんか? 

食事やトイレの自立など、〇〇できるようになることを求めすぎて、うまくいかずに辛くなってしまうことはありませんか? 

講義では、子どもの自主性を育てるとは具体的にどういうことなのか、そして、「子どもを見守る・待つ」ことを本当の意味で体現するにはどうしたらよいか、子育てのヒントを、由佳子さんからたくさん得ることができました! 

================ 

子どもは生まれる瞬間から自主性を持っている 

================ 

トイレや着替えなど、そろそろ自分でできるようになってほしいと思い、その過程を親が提示して一生懸命導こうとすることはありませんか?  

由佳子さんは「親の愛とサポートがあれば、子ども自身の準備が整った時、できると思えた時に、自分でやるようになる」と言います。 この世に産まれるタイミングを選ぶことから、ハイハイ、歩く、卒乳、トイレの自立など… 子どもたちはすべてのタイミングを自分自身で分かっているのです。 ならば、私たち親にできることは、先々の課題ばかりに目を向けるのではなく、子どもが今できることを認めてあげること。 

いつもは自分でやることを、やろうとしない日だってあるかもしれません。 そんな時は「そんな気分の日もある。自分の気分を伝えてくれるようになったんだ!」と、視点を変えて捉えてみると、子どものことがより愛おしく感じられませんか? 

================ 

自主性を育てるために必要なのは? 

================ 

由佳子さんは、子どものやりたい気持ちを行動に移すために必要なポイントを日常の場面を例にして教えてくれました。 それらはすべて、親が子どもに対して持っている前提を変えるだけで出来ることばかりです。 「子どもは何も知らない」と思い、《全ての方法を示して導く必要がある》と接することがあるのなら、「子どもは自主性があり、挑戦したいと思っている」という前提に変えるだけで、《信頼して見守る》という異なった接し方ができます。 そして、子どもが「自分でやりたい」という気持ちを行動に移し、成功を繰り返すことで、「またやってみよう」という気持ちが芽生えるのです。 


================ 

「見守る」ことで、子どもは何を受け取る? 

================ 

子どもを信じて見守ることが、子どもへの最高のギフトだと由佳子さんは言います。 泣いている時や転んだ時、慰めようとして、あれこれ頑張っていませんか? でも、そんな時こそ、まずは手を出さず見守ってみてください。 子ども自身がどうやって問題を解決するか考えるチャンスなのです。 子どものためと思い、私たち親が今までやっていたことを一度手放してみたら、新たな子どもの一面に気付き、子どもの成長に繋がるかもしれません。  

由佳子さんの講義では、いつも新たな視点や気付きを得ることができます。 でも、それは決して、難しいものではありません。 私たちの心の奥にある「子どもだった頃の感覚」を呼び覚まし、「自分だったらどうされたい?」を考えさせられることで、自然に理解できるアドバイスばかりです。 それらは全て、子どもは大人と同じ人間である、ということがベースにあります。  

少し行き詰っていた毎日の子育てを打破し、癒してくれる話に触れ、自分と子ども、家族をまた少し好きになれる、そんな幸せに満ち溢れた2時間でした。  

由佳子さん、ありがとうございました! 

次回も楽しみにしています!

 Writer : 金谷 亜衣 

Mothers’ Earth Community 代表:安田 菜穂子