(Report) Vol.132 自分で決める出産についてみんなで考えてみよう

2020年9月30日、川口由佳子さんによる「自分で決める出産についてみんなで考えてみよう」を開催しました。

まもなく7ヶ月となる由佳子さんの第二子の妊娠・出産ストーリーを振り返りながら、参加者の皆さん自身が経験したお産、これからもう一度あるかもしれない未来のお産に、それぞれ思いを馳せながら、自分が理想とする出産とは?の本音に向き合うきっかけとなりました。

由佳子さんにとって、自分の直感に突き進む決断をする転機となった今回の妊娠・出産の以前には、「総じていいお産だった」と一見思えた第一子の出産と、その後の流産という経験がありました。


初めての妊娠で知らないことだらけの中、妊婦検診などの一つ一つが義務なのか任意なのかもわからないまま、流れで進んでいくことに多少疑問を感じつつも、リサーチ力が追いつかずその場しのぎで決めていった... そんな経験をされたのは由佳子さんだけではないはず。


妊娠中だけに限らず、出産そのものの流れ、産後に起こりうるであろう事柄など、それらをあまりに知らなさすぎる状態のまま出産に挑んでいなかったかを自分に問いかけた、という由佳子さんの言葉に参加者それぞれ深く頷いていました。


それでもやっぱり「いいお産だった」と自分の経験を肯定したくなる人間の性に向き合い、「知らなかったからこそできなかった選択」を知ることで、次はもっと主体的にお産ができるのでは?と考えられたそうです。

こんなお話を聞きました!

・流産の経験を通して感じた人間の身体の力

・感情にフォーカスしたバースプランの具体化

・理想プランと緊急時プランの家族間での共有の意味

・家族と念密なイメトレをどのように進めたか

・家族みんながどう関わりたいかを決める価値

・家族の不安を解消していくプロセス

・出産当日の写真で振り返る家族の心の変化


出産についてのインスピレーションを多方面から得ながら、自分の価値観と照らしあわせていく。

それと同時に、「具体的に考えていき、わからないことは積極的に質問をする」という姿勢で自分の理想をよりクリアなものにしていかれた由佳子さん。


時間をかけ調べ、実際に医師や助産師さんに質問を重ね小さな疑問を解消し続けた経験から得られた由佳子さんの豊富な知識のおかげで、参加者の皆さんにも新しい選択肢が広がりました。

そうは言っても、周りの協力があってのお産ですから、最大の味方である旦那様とどのように意見をすり合わせ、同じ方向に進まれたのかという点もとても興味深いものでした。


参加者より嬉しい感想を頂きました!

本当に幸せな夢見心地な会でした。
「自分の人生の主役は、自分」ということを由佳子さんのどの講義でも伝えてもらっているように感じます。言葉だけじゃなくて、行動で、そういう人生はつくれるんだよということをまっすぐに体現されていて、今回のお産のお話は本当にそのメッセージがストレートに入ってきました。
由佳子さんの出産までのストーリー、「その日」のたくさんの胸が熱くなるようなお写真は、もちろん本当に素晴らしくて、この世界で私と同じ時空にあんな幸せにむかえられたいのちがすくすくと育っているということだけで、なんだかこの世界がとてもしあわせなものに感じられます。同時に、私の出産がそうだったように、例えば医療の介入が必要だったり、憧れたお産にならなかったとしても、その主役は自分(と家族)で、やってくるポイントポイントで流されずに受け止めて、ちゃんと舵を切れる状態を準備して作ることが、「しあわせなお産」に必要なただ一つのことなんだなぁと感じました。
(F.M.さま)
今回の由佳子さんの妊娠出産のお話は、ただの体験のシェアに留まらず、毎日をどんなふうに過ごすのかに通じるお話ばかりでした。自分が叶えたい理想とそれが叶わなかった時でもどのようにしたら納得がいくプランになるか。自分だけでなく、家族の選択や意思をどのように尊重して相談して巻き込みながら自身の理想を叶えていくのか。事実ばかりみがちな私に、どんな感情になる事がゴールか?というアプローチは、出産だけでなく日々を幸せに生きる上で指針になるようなお話しでした。自分の二回のお産を振り返り、三回目があるとしたらこんなふうにしたいと夢が膨らみ、やはりお産とは私にとってかけがえのないものだと考えるきっかけになりました。いつも由佳子さんのお話からはたくさんの気づきをもらっています、ありがとうございました。
(N.Y.さま)
前回の出産のお話にも遡り、今回どんな想いや考えで出産を選択されたのかとても共感しました。また家族をどうやって巻き込んでいったのかの質問にも丁寧に答えて下さりありがとうございました。中盤に出てきた流産のお話は、さらっとされていたけれど、その時はとても辛かった事と思います。ですが、それも含めて私達の身体は必要な事を自分でできるのだ、という視点にしなやかに移行し、受け入れられた芯の強さにウルウルしながら聴いていました。
出産当日のお写真は、ご家族のみなさんと愛と喜びに溢れて迎えているのが伝わり、これが私も理想の出産!と感動しました。
(Y.L.さま)

自然分娩、無痛分娩、計画出産、帝王切開など様々な出産方法の中から選択をしたとしても、その通りにいくかどうかがわからないのが出産。

結果的に自分の描いた理想とは違ってしまった場合や、細かな希望が叶えられなかったとしても、自分の感情にフォーカスして、この出産を通してどう感じていたいかはどんな出産方法になったとしても実現できるはず、と由佳子さん。


「自分はどう感じていたいか」

これは今回のテーマ"出産"のみならず、私たちの人生そのものにおいても置き換えて考えられる指針となるような価値ある気づきとなりました。


Writer: 三木ゆう子